はじめまして、芝原 大樹と申します。現在40歳、愛知県名古屋市に暮らしております。
私はかつて、15年もの間、ホテルマンとして働いておりました。お客様の笑顔のために、時には深夜まで、時には休む間もなく動き回り、日々を過ごしてきました。お客様に「ありがとう」と言っていただける瞬間は何物にも代えがたい喜びで、この仕事に誇りを持っていたんです。
しかし、2020年春、新型コロナウイルスが世界を覆い尽くし、私の日常は一変しました。宿泊客は激減し、宴会は軒並みキャンセル。私が長年勤めた名古屋市内の老舗ホテルも、あっという間に閑散としてしまいました。厳しい経営状況の中、人員整理の波が押し寄せ、私自身も離職せざざるを得ない状況に直面したのです。15年間積み上げてきたものが、音を立てて崩れていくような感覚でした。家族を養う責任がありながら、職を失う。正直、あの時の不安と焦りは、今でも忘れられません。
途方に暮れる中で、私は「何とかして在宅で再起を図りたい」と強く思うようになりました。外に出られない状況だからこそ、自宅でできる仕事を見つけ、自分の手で生活を立て直そうと決意したんです。最初は手探り状態でした。これまでの接客経験やマネジメントスキルは、パソコン一台の在宅ワークで本当に活かせるのだろうか。そんな疑問を抱えながらも、インターネットで必死に情報を集め、いくつかの在宅ワークに挑戦しました。
まさかあの時の私が、今では在宅ワークだけで毎月35万円近くを安定して稼げるようになるとは、当時の私には想像もつきませんでした。あの苦境を乗り越え、新しい道を切り開けたこと、本当に安堵しています。特に地方都市で暮らしていると、選択肢が限られると感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私の体験から言えるのは、在宅ワークで安定した収入を得ることは、決して夢物語ではないということです。
今回は、私が実際に在宅で月20万円、そしてそれ以上の収入を得るきっかけとなった現実的な仕事について、お話しさせてください。特別な資格やスキルがなくても始めやすいものですし、ホテルマンとして培ったホスピタリティ精神が、どのように在宅ワークに繋がったのか、私の目線で丁寧にお伝えできれば幸いです。
私のメイン収入源:メールオペレーター
私が在宅ワークに本格的にシフトしたのは、離職してすぐのことでした。最初はアルバイトやパートを複数掛け持ちして糊口をしのいでいましたが、それでは将来が見えません。そこで、「これからの時代は手に職をつけねば」と一念発起し、IT系のスキル習得にも挑戦しました。しかし、すぐに成果が出るわけではなく、時間だけが過ぎていきました。
そんな中、たまたま見つけたのが「メールオペレーター」、いわゆる「メルオペ」の仕事です。クライアントから指定されたチャットツールを使い、お客様からの問い合わせに返答したり、商品の利用方法を案内したりするのが主な業務内容でした。事務職経験もない私が、果たして務まるのか。最初は不安でいっぱいでした。
正直なところ、初月の収入は5万円にも届きませんでした。ホテルマン時代の月給(残業代込みで手取り30万円ほど)と比べると、あまりにも少ない金額に、正直胸が詰まる思いでした。しかし、自宅でできること、通勤のストレスがないこと、そして何よりも、お客様の気持ちに寄り添い、言葉で問題を解決していくプロセスに、ホテルマンとして培った「おもてなしの心」が活かせるのではないかというかすかな光を見出しました。
ホテルマン時代は、お客様の表情や声のトーンからニーズを汲み取り、先回りしてサービスを提供するのが得意でした。メルオペの仕事では、それが文章に置き換わるだけだと考えたのです。お客様が本当に知りたいことは何か、どのような言葉で伝えれば誤解なく、安心していただけるか。そうした視点で丁寧な言葉遣いを心がけ、分かりやすい返信のテンプレートを自分で工夫したりしました。時には、お客様からのご意見を真摯に受け止め、クライアントにフィードバックするよう努めたこともあります。
そうやって少しずつ、コツコツと信頼を積み重ねていった結果、任される仕事の量が増え、単価も段階的に上がっていきました。お客様から感謝のメッセージをいただくことも増え、「これで本当に食べていけるかもしれない」という希望が芽生え始めたんです。
初めて月20万円の壁を超えたのは、メルオペを始めてから約1年が経過した頃でした。その月の収入は23万円。ホテルマンを辞め、どん底にいた私にとって、この数字は本当に大きな意味を持っていました。かつての給料を超え、自分の力でここまで来られたという達成感で、夜中に一人、思わず声を出して喜んだのを今でも鮮明に覚えています。当時の私は、週5日、1日7時間程度の作業時間で、これだけの収入を得られるようになっていました。
このメルオペという仕事の最大の魅力は、パソコンとインターネット環境さえあれば、どこでも仕事ができる点に尽きると思います。ホテルマン時代は、早朝出勤や深夜勤務、時には連日の立ち仕事で足腰も限界を迎えることがありました。名古屋の夏の酷暑の中、汗だくで通勤するのも一苦労でしたし、お客様対応に追われる日々で、肉体的・精神的な疲労は相当なものでした。それが今では、自宅の書斎で、淹れたてのコーヒーを片手に、集中して作業に没頭できる。これは本当に大きなメリットだと感じています。初期投資もほとんどかからないので、再起を目指す私にとっては、非常に現実的で助かることばかりでした。
もちろん、良いことばかりではありません。在宅だと仕事とプライベートの切り替えが難しい時もありますし、時にはお客様からの難しい問い合わせに、どう返信すればお客様にご納得いただけるか悩むことも、正直よくあります。しかし、それらの課題も、ホテルマン時代に培ったお客様対応の経験が活かされています。自分で徹底的に調べて解決策を見つけたり、クライアントに相談して適切な判断を仰いだりしながら、一つずつスキルを磨いていくのが、今では私の楽しみになっています。
現在では、メルオペの仕事を中心に、月30万円を超える収入を安定して得られるようになりました。そして、さらなるスキルアップと収入増を目指し、新しい分野にも挑戦を続けています。この経験が、同じように在宅での再起を目指す方の、少しでも力になればと願っています。
